どうでもよくない日記

とりとめない日記です。

己自身の道を歩むべく

エレファントカシマシの「ガストロンジャー」に

「あいつらの化けの皮を剥がしに」という一節があるのだが、
ライブではボーカルの宮本さんはそこの部分を
「己自身の化けの皮を剥がしに」
と歌う(というか、叫ぶ)ことがある。
その歌い換えがわたしは好きだ。
もちろん本人の意図がどうであったかは知らないが、もとから「あいつら」とはつまり「己自身」だったんだろう、と勝手に思っている。
 
歌詞を読んでも、「あいつら」の指す明確なところはわからない。
「人の良さそうな変な奴」というのは出てくるが、それ自体が怒りの対象ではない。
この歌の怒りは、特定の誰かへ向けた怒りではなく、
「豊かさとどっちらけ」の中で生きる現代の状況そのものに対しての苛立ちである。
となると化けの皮を剥がすべきは果たして何かというと、結局現状に甘んじている「己自身」あるいは「くだらねえ俺たち」でしかない。
 
わたしがエレファントカシマシを好きなのは、常に「己自身」のことを歌っているからだ。
勝手に誰かの気持ちを代弁するようなことは歌わない。
わかったふりをしない。
嘘もつかない。
とことん己に向き合い、迷いながら悩みながら、身を削るようにして自分のことばを探している。
もう四半世紀以上もやっているバンドなのに、今もまだ迷っている。
その姿を隠さず全部さらけ出している。
呆れてしまうほどに誠実だと思う。
どんなにボロボロでかっこ悪くても、ギリギリの場所で見得を切ってみせてくれる。
だから心を強くつかまれる。
彼らのライブを観ると、わたしもちゃんと「己自身」と闘っているだろうか、といつも思う。
 
 
 
もうすぐ毎年恒例日比谷野音でのライブです。