どうでもよくない日記

とりとめない日記です。

料理と、世界を変えることについて

最近、料理がうまくなったように思います。

毎日料理するようになって3年。

もともと知識も経験もなく、だからといってとりたてて努力したわけでもなく、

必要に迫られて続けてきたことが、いつの間にか自分で実感できる程度の成果を達成していたんです。

何か自慢の創作料理があるとかフレンチのフルコースが作れるとか、

そういうハイレベルな話ではないので、

私料理うまいんです!とかあんまりおおっぴらに言えないんだけど、あくまで自分比の話。

例えば、何をどれだけ入れたらどんな味になるか想像できるようになったし、

料理に合わせて食材の切り方を変えることを覚えたし、

献立のうちどの料理のどの作業をどの順番でおこなうかの筋道をさほど悩まず立てられるようになりました。

こう書くとほんと初歩的なことばかりで、どんだけ下手だったんだよと思われそうですが…。

 

単純に、おいしいものを自分で作って食べられる、ということもうれしいけど、

それだけではないんです。

料理ができるようになって今、何か新しい武器を得たような気分です。

RPGで冒険を続けているうちに、経験値がたまって、お金がたまって、

強い武器が買えるようになったような感じ。

RPGと違って能力が数値化されないからわからなかったけど、

冒険とはほど遠い平坦で怠惰な日々を送ってきた自分でも、

継続・成長してきたことがあったんだ、ということがうれしいのです。

 

武器と言ったって、料理を何か仕事に活かすとか、異性の気を引くとか、

そういうつもりではありません。

もっと単純な、ものすごく原始的な話です。


 

私の場合、料理の経験を積むことで、

世のいろんな食べものがどうやって作られているかがだいたいわかるようになりました。

つまり今まで自分が食べていたあの料理は、

これこれこういう材料とこういう調味料でできるんだ!という、発見があったのです。

こうして書くとどうってことない、きわめて当たり前のことだけど、

この発見がけっこう重要で。

レストランで食べるしかなかったあの料理、自分でも作れるんじゃん!

(ほんとに作れる技術があるかどうかはさておき)

と思えるのって、ほんと小さいことだけど、世界が変わることなのです。

世界が自分に近づいた!とでも言いましょうか。

自分の力でその変化をもたらすことができる、というのが、すごくうれしいのです。

 

子どもの頃って、自分が周りの人に支えられて生きてることに気づかないじゃないですか。

で、成長したある日初めてそのことに気づいて

ガーン!と世界の見え方が変わることって、よくあるじゃないですか。

大人になっても、ふだん生きてる世界の中で、

全然気づかない、スルーしちゃうことってたくさんあるんだなーと、改めて思います。

料理をしないままだったら、世の中の食べものの見え方が違っていたでしょう。

ほかにも、例えば編み物できるようになったら、世の中のニット製品が違って見えるだろうし、

ダイビングできるようになったら、近所の海も違って見えるだろうし、

野菜をいちから育てたら、スーパーに並んだ野菜も違って見えるだろうし…etc.

 

できること、わかることが増えていくたびに、

世界は少しずつ変わっていく、変えていくことができる。

すごくワクワクすることではないですか。

料理って、それを実感できる、すごく身近な手段だなーと思うのです。