どうでもよくない日記

とりとめない日記です。

絵本記録9

「エンソくん きしゃにのる」(スズキコージ)
「ほげたえき」からおじいちゃんの待つ終点まで、汽車に乗って初めての一人旅。駅の人混み、流れていく街の景色、暗いトンネルの恐ろしさ…。お話じたいはとてもシンプル。でも描き込まれた独特の世界観に夢中になってしまう。

 

ここは西洋?東洋?ほげた駅の駅員さんの顔が異様に怖いのはなに?エンソくんと乗り合わせたおばさんの手はなんで鉤爪?エンソくんのおじいちゃんが乗ってきた動物は一体何?

 

わからないことだらけ。見れば見るほど、発見がある。でもそれが子どもにはとても面白かったみたいで、繰り返し読んだ。わたしは絵本に出会うまで、こういう面白さには気づけなかった。

 

前に「とらのゆめ」の時にも書いたけれど、大人にとって「わからない」ことは不安や恐怖につながりやすい。でも子どもはわからなくても笑っている。鷹揚である。

 

うちの子どもは最近自分で絵本を描くようになった。当然ながら話は破綻しているし無茶苦茶なんだけど、自分の面白いと思うものを力一杯描く、というパワーをひしひしと感じる。お前にこの世界を受け止める度量があるのかと問われているような気にさえなってくる。「わかる」あるいは「わからせる」ことを目的にしてしまったら、失われるものがきっとたくさんあるのだろう。